POYO

あたらしいくにわたくしま

覚書

私がここにあるということを、私が否定するのと同じ濃度で、嘘をついていかないといけない。

嘘をつかれることはとても辛い。取り繕われるのもとても辛い。いつも透けて見える人の本心は大概がぼやけてすらくれなくて、そのままのとげが突き刺さる。

距離をとって、遠く離れた、誰のとげも刺さらない場所で、でもそれはとげのような寂しさになって刺さってしまった。

生きることは寂しいこと-いつか誰かと寂しさから抜け出せるなんて嘘-この世にぜんぶはない-そうやってかみさまは言った。

そんなばかな、って思ったけど、本当だったかも。

かみさまも寂しかったのかな。私にできることはないのかな。

手からすり抜けていくだけの暖かさならそんなのシャワーで事足りているってみんなわかっている。

青色が私のためになるなんてただの幻想だったみたい。

象徴的な幸せから抜け出そう。私が作ろう。それは夢じゃない。否定じゃない。真っ直ぐな道。そしてそれを認められること。本心の膿がようやく出たかも。

 

空間-教室、休み時間、湿っぽい木の匂いが鼻をつく、窓の外に小雨、眺める、窓際後ろから二つ目の席、対して団子状、廊下側一番前の席、問題児の証、先生がいつでも注意できる位置、カラカラ転がる笑い声、湿っぽい大きな声が耳につく、「(任意の名前)学校来んな」「(任意の名前)死ね」「(任意の名前)気持ち悪い」、丁寧な記名。

名前を呼ばれるのは怖い。それは絶対的に私に向けられた言葉だから。そこに私が確実に存在してしまうから。たとえその場にいなくても、私が規定されてしまうから。←それでも私はその恐ろしさを忘れて名前を呼ぶことを許してしまったし、また、同じようなことを繰り返していくと思う。

萎んだ風船みたいにくすくす力が抜けて立ち上がれなくなったわたし/あまりにも心と同じ動き方をしている。

いつぞやのにぎわいはいったいどこに行ってしまったんだろう。

部屋に浮かんでいた緩やかな期待とか喜びとかはぜんぶ、ていねいに、幽霊に変わってしまった。傘を広げる勇気もなく。

でも、エンターキーを押すだけでそれが私への肯定になるんなら、もうそれで何にもいらないよね?強迫観念でもいつかは事実になるから。